【税務の基礎知識(所得税)】給与所得者の特定支出(特定支出の内容)
2019/02/08
【給与所得者の特定支出(特定支出の内容)】
・特定支出の内容
特定支出とは、具体的には次に掲げる支出をいいます。
①一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
②転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
③職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
④職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
⑤単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
⑥次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1)書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2)制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3)交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
・特定支出の要件
上記6つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。
また、以下に該当する部分については特定支出には含まれませんのでご留意ください。
①その支出について給与等の支払者により補填される部分があり、かつ、その補填される部分につき所得税が課されない場合におけるその補填される部分
⇒補填を受けており、かつ、所得税が課されていない、つまり、給与収入に算入されていないため、当然に特定支出にはなりません。
②その支出について雇用保険法による教育訓練給付金や母子及び父子並びに寡婦福祉法による母子(父子)家庭自立支援教育訓練給付金が支給される部分がある場合におけるその支給される部分
⇒納税先である国から給付を受けているので、当然に特定支出にはなりません。
(ポイント)
・特定支出に該当するのは、上記6つの支出のうち、給与の支払者が証明したものである。
(留意点)
・上記6つに該当する支出であっても、補填を受けている部分などは除外される。