【コラム】生命保険名義変更スキームの封じ込め
2021/04/30
【生命保険名義変更スキームの封じ込め】
3月に国税庁が通達改正を検討しているという情報が入り、税理士業界でもかなり話題になっていた「生命保険名義変更スキームの封じ込め」ですが、4/28に国税庁より以下「所得税基本通達の改正案」が公表されました!
事前に漏れ伝わってきていた内容の通りの改正になるようです。
これからパブリックコメントの公募があり、その内容を踏まえて通達の改正がなされますが、おそらく以下の案での改正になると考えらえます。
●主な改正内容
(改正前)
名義変更時の生命保険の買い取り金額
→名義変更時の解約返戻金相当額
(改正後)
名義変更時の生命保険の買い取り金額
①名義変更時の解約返戻金相当額<名義変更時の資産計上額×70%
→名義変更時の資産計上額
②名義変更時の解約返戻金相当額≧名義変更時の資産計上額×70%
→名義変更時の解約返戻金相当額
※名義変更スキームは名義変更時の解約返戻金相当額が資産計上より相当程度少額になっていることがポイントのスキームでしたが、上記の通り、解約返戻金相当額が資産計上額の70%未満となる場合には名義変更時の生命保険の買い取り金額を資産計上額で評価する改正になりますので、名義変更スキームによる想定メリットが発生しないことになります。
●新通達の適用時期
令和3年7月1日以後行う名義変更より適用
※ただし、元の契約が令和元年7月8日より前に契約されたものについては新通達の適用外となります。
この案での改正になれば今後は生命保険の名義変更スキームを活用した節税は出来なくなります。また、令和元年7月8日以後に契約した生命保険を令和3年7月1日以降に名義変更する場合には改正後の通達が適用されますので、名義変更スキームを前提として令和元年7月8日以後に生命保険を契約されている方については留意が必要です。