【コラム】税理士の顧問料
2019/06/05
【税理士の顧問料】
今回は税理士の顧問料について少しお話したいと思います。
税理士の顧問料はまちまちです。
当然会社の規模やサービス内容によっても変わりますが、地域によっても違いがあります。
報酬表を開示している会計事務所もありますが、していない会計事務所も多くあります。
我々ディレクションも報酬のイメージをもっていただくための報酬例はHPに記載していますが、具体的な報酬表は敢えて開示していません。
私どもは税理士報酬は大きく分けて以下2つの要素で決めるものであると考えています。
それは「ご提供するサービス」+「会計事務所が負うリスク」です。
①「ご提供するサービス」
「ご提供するサービス」には以下の2種類の要素があります。
1.作業工数(コスト)
一つ目は作業工数です。ご提供するサービス内容により作業工数は変わります。
当然に作業工数が増えればその分人件費がかかるため、その分高い報酬をいただかなければ会計事務所の経営が成り立ちません。
つまり、会計事務所に作業を依頼するためのコストといえます。
2.節税や補助金等の収入(ベネフィット)
二つ目は節税や補助金等の収入です。
節税による税負担の減少、又は、補助金等の獲得による収入の稼得によりお客様が経済的にメリットを得られるのであれば、それに見合う対価をいただくことは至極当然です。
つまり、会計事務所に作業を依頼することにより得られるベネフィットといえます。
②「会計事務所が負うリスク」
「会計事務所が負うリスク」とは会計事務所が顧問先に負う税務リスクです。
近年は顧問先から顧問税理士が訴えられるケースが多く出てきています。顧問先が税務調査等で指摘を受けた場合に、税理士に非があれば、その追徴税額分を税理士が負担するべきとの判決がでるケースがあります。
税理士といっても人間です。間違うことはあります。
当然、取引量が多いお客様、又は、積極的な節税を行うお客様については、その分だけ高い報酬をいただくというのは至極当然のことといえます。
多くの方は上記①の1.を重視して顧問料を考えられているような気がします。
それは当然で、「作業工数」、つまり、自社のために動いてくれている時間というのは目に見えて分かりやすいからです。
でも、実際は経営の意思決定としてはコスト、つまり、「作業工数」だけでなく、ベネフィットの部分も考慮して総合的に判断すべきなのではないかと感じています。
ズバリ、税理士を選ぶ際は、
「顧問料+納税額(節税額を考慮)-α(補助金等の収入など)」
で、税理士に依頼することで係るコストと受けることができるベネフィットを総合的に勘案し判断されることをお勧めします!
かなり安価な顧問料を設定するのであれば、上記①の1.に特化してすればいいのです。
具体的には、必要最低限の作業に絞って、人件費のかからない無資格者を担当者にすることで会計事務所内のコストを下げれば、安価な顧問料でも利益がでますよね。
上記①の2.のサービスを提供しようを思うと、経験値の高い人が対応しないと難しいです。
まず、節税は税務知識や豊富な経験値がないと提案することはできません。知識や経験がない人が行えば、一歩間違えば脱税になっている可能性もあります。
どうしても税務リスクはでてきますから。
補助金等については、情報をタイムリーにキャッチアップする必要がありますし、毎回要件等が変わるため、新たな情報を分析するために過去に実際に携わった経験などがないと適切なご提案は難しいです。
また、税務知識や豊富な経験値がないと提案することはできない業務というのは、その業務の難易度からどうしても会計事務所が負うリスクが出てきてしまいます。
そんなこんなを加味すると、税務知識や豊富な経験値がある人が対応しないといけない業務が増えるにつれて、当然に人件費が高くなるので、その分高い顧問料をいただく必要があるのです。