【税務の基礎知識(外形標準課税)】付加価値割(純支払利子)
2019/04/04
【付加価値割(純支払利子)】
・純支払利子とは
純支払利子とは、法人が各事業年度において支払うべき利息等(支払利息)の額から受取るべき利息等(受取利息)の額を控除した金額です。
なお、純支払利子の額がマイナスになる場合、つまり、支払うべき利息等の額より受取るべき利息等の額の方が多い場合には、付加価値額に含める純支払利子は0円となります。
・純支払利子の内容
①借入金・貸付金の利息
借入金利息は純支払利子の計算上支払利息に含まれ、貸付金利息は純支払利子の計算上受取利息に含まれます。
②金融機関の預金利息
金融機関から受け取る預金利息は純支払利子の計算上受取利息に含まれます。
③還付加算金
納付済みの税額が減額又は取り消され、国から還付される還付加算金は利息の性質を有するため、純支払利子の計算上受取利息に含まれます。
④租税に係る利子税・延滞金
申告期限の延長に係る利子税及び延滞金については、法人税において損金算入されるため、純支払利子の計算上支払利息に含まれます。
ただし、不申告や納期限後の納付に係る延滞金については、法人税において損金算入されないため、純支払利子の計算上支払利息には含まれません。
⑤売掛債権をファクタリング会社に譲渡したときのファクタリング費用
ファクタリング費用は、売上債権の譲渡から生じるものであって、性質上利息の性質は有していないため、原則として、純支払利子の計算上支払利息には含まれません。
ただし、譲渡の対象となる債権に償還請求権が付されているときは、純支払利子の計算上支払利息に含まれます。
⑥資産除去債務に係る利息費用
資産除去債務に係る利息費用は、将来発生する資産の除去に係る費用を見積計上したものであり、現実にその対象となる元本や債権者が存在するものではありません。
原則として法人税の所得の計算において損金の額に算入されないことから、法人が支払う負債の利子に該当しないため、純支払利子の計算上支払利息には含まれません。
⑦営業収入となる利子収入
金融業などでは会計上、利子収入が営業収入となりますが、経理処理の如何を問わず、性質上利息の性質を有しているものについては純支払利子の対象となりますので、営業収入として経理する場合であっても、その受取利息は純支払利子の計算上受取利息に含まれます。
(ポイント)
・純支払利子とは、法人が各事業年度において支払うべき利息等(支払利息)の額から受取るべき利息等(受取利息)の額を控除した金額である。
(留意点)
・純支払利子の額がマイナスになる場合、つまり、支払うべき利息等の額より受取るべき利息等の額の方が多い場合には、付加価値額に含める純支払利子は0円となる。