【税務の基礎知識(所得税)】所得税法上の配偶者及び扶養親族(内縁関係や養子縁組などの場合の取扱い)
2019/03/07
【所得税法上の配偶者及び扶養親族(内縁関係や養子縁組などの場合の取扱い)】
所得税法上の配偶者及び扶養親族とは、民法に規定する親族、つまり6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。
内縁関係にある方や養子縁組をしている方など、所得税法上の配偶者及び扶養親族に該当するか否か判断に迷うケースの取扱いを以下にまとめてみました。
・内縁の妻の配偶者の判定
「いわゆる内縁の妻は配偶者控除の対象になりません」
民法上の婚姻関係とは婚姻届の提出により発生するものであるため、当該届出を提出していない、いわゆる内縁の妻は所得税上の配偶者控除の対象にはなりません。
・内縁の妻との間に生まれた子の扶養親族の判定
「内縁の妻との間に生まれた子は認知している場合に限り扶養控除の対象になります」
内縁の妻との間に生まれた子を認知している場合には、法律上も子となるため、生計を一にしており、所得金額が一定以下であるなどの所得税法上の扶養親族の要件を満たしていれば、所得税法上の扶養控除の対象になります。
ただし、認知していない場合には、法律上は子たる地位を有していないことから、所得税法上の扶養控除の対象にはなりません。
ちなみに、認知した子の扶養親族の判定時期は、認知届が受理された日となります(出生時ではありません。)。
・養子縁組した子供の扶養親族の判定
「養子縁組した子供は扶養控除の対象になります」
養子縁組により法律上の親子関係が生じることから、生計を一にしており、所得金額が一定以下であるなどの所得税法上の扶養親族の要件を満たしていれば、所得税法上の扶養控除の対象になります。
・離婚により別姓となった子の扶養親族の判定
「離婚により別姓となった子も扶養控除の対象になります」
離婚により、配偶者は戸籍が異動するため配偶者控除の対象外となりますが、子は例え別姓になったとしても戸籍上の親子関係に異動は生じないため、生計を一にしており、所得金額が一定以下であるなどの所得税法上の扶養親族の要件を満たしていれば、所得税法上の扶養控除の対象になります。
・外国人と結婚した場合の配偶者の判定
「日本国籍を有しない外国人の配偶者も配偶者控除の対象になります」
日本国籍を有していなくても、日本の民法上婚姻関係にあるのであれば、法的に夫婦関係にあることから、生計を一にしており、所得金額が一定以下であるなどの所得税法上の配偶者の要件を満たしていれば、所得税法上の配偶者控除の対象になります。
(ポイント)
・所得税法上の配偶者及び扶養親族とは、民法に規定する親族、つまり6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族である。
(留意点)
・内縁の妻との間に生まれた子の所得税法上の扶養親族の判定は認知の有無により判定が異なる。
・認知した子の扶養親族の判定時期は、出生時ではなく、認知届が受理された日である。