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【税務の基礎知識(国際税務)】非居住者が日本の株式等の譲渡した場合の課税関係

【税務の基礎知識(国際税務)】非居住者が日本の株式等の譲渡した場合の課税関係

2022/08/15

【非居住者が日本の株式等の譲渡した場合の課税関係】

日本の非居住者(恒久的施設を有しない前提)が日本の株式等を譲渡した場合、次の①から⑥のいずれかに該当する場合には国内源泉所得として日本で課税対象になります。

 

①買集めによる株式等の譲渡

②事業譲渡類似の株式等の譲渡

③税制適格ストックオプションの権利行使により取得した特定株式等の譲渡による所得

④不動産関連法人の一定の株式の譲渡による所得

⑤日本に滞在する間に行う内国法人の株式等の譲渡による所得

⑥日本国内にあるゴルフ場の株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得

 

●事業譲渡類似の株式等の譲渡

上記②の事業譲渡類似の株式等の譲渡とは「内国法人の特殊関係株主等である非居住者が行うその内国法人の一定の株式等の譲渡」をいいます。

具体的には以下の(イ)および(ロ)を満たす場合には事業譲渡類似の株式の譲渡となり、日本で課税対象になります。

(イ)譲渡年以前3年以内のいずれかの時において、その内国法人の特殊関係株主等がその内国法人の発行済株式または出資の総数または総額の25パーセント以上に相当する数または金額の株式または出資を所有していたこと。

(ロ)譲渡年において、その非居住者を含むその内国法人の特殊関係株主等が最初にその内国法人の株式または出資の譲渡をする直前のその内国法人の発行済株式または出資の総数または総額の5パーセント以上に相当する数または金額の株式または出資の譲渡をしたこと。

 

●不動産関連法人の一定の株式の譲渡

上記④の不動産関連法人の一定の株式の譲渡とは以下要件に該当する株式の譲渡をいいます。

「不動産関連法人」

不動産関連法人とは、株式の譲渡の日から起算して365日前の日からその譲渡の直前の時までの間のいずれかの時において、その有する資産の価額の総額のうちに、国内にある土地等やその有する資産の価額の総額のうちに国内にある土地等の価額の合計額の占める割合が50パーセント以上である法人の株式など一定の資産の価額の合計額の占める割合が50パーセント以上である法人をいいます。

 

「一定の株式の譲渡」

一定の株式の譲渡とは、次の(イ)または(ロ)に掲げる株式または出資の譲渡をいいます。

(イ)その譲渡の日の属する年の前年の12月31日において、その株式または出資(上場株式等に限ります。)に係る不動産関連法人の特殊関係株主等がその不動産関連法人の発行済株式または出資の総数または総額の5パーセントを超える数または金額の株式または出資を有し、かつ、その株式または出資の譲渡をした者がその特殊関係株主等である場合のその譲渡

(ロ)その譲渡の日の属する年の前年の12月31日において、その株式または出資(上場株式等を除きます。)に係る不動産関連法人の特殊関係株主等がその不動産関連法人の発行済株式等の総数または総額の100分の2を超える数または金額の株式または出資を有し、かつ、その株式または出資の譲渡をした者がその特殊関係株主等である場合のその譲渡

 

(留意点)

・上記は日本の国内法の取扱いであるが、非居住者の場合は居住国との租税条約も踏まえて検討する必要がある点に留意が必要である。

 

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