【税務の基礎知識(外形標準課税)】資本割(課税標準)
2019/04/09
【資本割(課税標準)】
・資本割の税額
資本割の税額は、「資本金等の額」、連結納税を採用している法人については「連結個別資本金等の額」に税率を乗じて算出します。
この場合の「資本金等の額」は税務上の金額であり、会計上の資本金の額ではありません。
・資本割の課税標準の最低基準
資本割の課税標準である、「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」が、会計上の「資本金+資本準備金」を下回る場合には、会計上の「資本金+資本準備金」を資本割の課税標準とすることとされています。
つまり、資本割の課税標準は会計上の「資本金+資本準備金」が下限となります。
従って、自己株式の取得や合併等により税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」がマイナスになっているような場合でも、会計上の「資本金+資本準備金」はマイナスとならないため資本割の税額が課されることになります。
・無償減資・無償増資がある場合の資本割の課税標準
無償減資又は無償増資を行った場合には、税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」は変動しませんが、一定の無償減資及び無償増資については、資本割の課税標準を算定する際に調整を加えることとされています。
(無償減資)
①平成13年4月1日から平成18年4月30日
平成13年4月1日以後平成18年4月30日以前に資本金の減少又は資本準備金の取崩しにより欠損填補に充てた金額がある場合には、当該欠損填補額を税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」から減算することとされています。
②平成18年5月1日以降
平成18年5月1日以後に損失の填補に充てた剰余金については、資本金の額及び資本準備金の額の減少により剰余金に計上されてから1年以内に損失の填補に充てられた金額に限り、当該欠損填補額を税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」から減算することとされています。
(無償増資)
平成22年4月1日以後に利益準備金又はその他利益剰余金を資本金とした場合には、当該資本金とした額を税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」に加算することとされています。
(ポイント)
・資本割の税額は、「資本金等の額」、連結納税を採用している法人については「連結個別資本金等の額」に税率を乗じて算出する。
(留意点)
・資本割の課税標準となる「資本金等の額」は税務上の金額であり、会計上の資本金の額ではない。
・資本割の課税標準は会計上の「資本金+資本準備金」が下限となる。
・平成18年5月1日以後に損失の填補に充てた剰余金について、当該欠損填補額を税務上の「資本割の額」又は「連結個別資本金等の額」から減算できるのは、資本金の額及び資本準備金の額の減少により剰余金に計上されてから1年以内に損失の填補に充てられた金額に限られる。