【税務の基礎知識(外形標準課税)】付加価値割(報酬給与額)
2019/04/02
【付加価値割(報酬給与額)】
・報酬給与額とは
報酬給与額とは、報酬、給料、賃金、賞与又は退職手当並びにこれらの性質を有するものの金額の合計です。
・報酬給与額の内容
①役員報酬
役員報酬は、法人税法上損金算入されるものに限り報酬給与額に含まれます。
②退職給与引当金繰入額
退職給与引当金繰入額は、法人税法上損金不算入となるため、報酬給与額に含まれません。
退職金は法人税法上損金算入された時点で報酬給与額に含めることになります。従って、退職給付引当金の取り崩しにより支給した退職金がある場合には、その取崩額が報酬給与額に含まれることになります。
③企業年金への拠出金
企業年金への拠出金は拠出した時点で報酬給与額に含める必要があります。
④派遣社員費
派遣社員費は派遣先法人が、派遣会社に支払う派遣料の75%を報酬給与額に含める必要があります。
ただし、上記の取扱いはあくまで労働者派遣契約に基づく派遣の場合のみ適用されますので、当該契約に基づかないものはこの取扱いは適用されません。
⑤出向者に係る給与負担金
出向者給与については、当該給与の実質的負担法人の報酬給与額とすることとされています。
従って、出向先法人が、出向元法人に対して当該出向者給与の全額を給与負担金として支払っている場合には、実質的に出向先法人が全額負担していることから、当該給与負担金は出向先法人で報酬給与額に含められることになります。
⑥通勤手当
通勤手当は原則として報酬給与額に含まれません。
ただし、所得税が非課税となるものに限られますので、所得税の非課税限度額を超えて通勤手当を支給している場合には、当該超過額は報酬給与額に含まれます。
⑦外注費(委託や請負)
外注費(委託や請負)は原則として報酬給与額には含まれません。
ただし、名目上は委託や請負契約による外注費でも、実態として労務提供の対価であるような場合には、給与と同様の性質となるため報酬給与額に含まれます。
⑧現物給与
従業員に金銭以外の経済的利益を給付した場合には、それが所得税法上給与所得又は退職所得として課税され、かつ、法人税法上損金算入される場合に限り報酬給与額に含まれます。
⑨法定福利費
社会保険料などの法定福利費は原則として報酬給与額に含まれません。
(ポイント)
・報酬給与額とは、報酬、給料、賃金、賞与又は退職手当並びにこれらの性質を有するものの金額の合計である。
・基本的には所得税法上課税され、法人税法上損金算入されたものが報酬給与額の対象となる。
(留意点)
・派遣社員費は派遣先法人が、派遣会社に支払う派遣料の75%を報酬給与額に含める必要がある。